築150年の古民家で、発酵食品を取り入れた料理を提供する「かもすや」の有浦さん。「発酵食を生かし、からだの隅々まで生きる力をお届けします」と、健全な食事づくりを続けています。“手前味噌”づくりも、そのための大事な仕事のひとつ。
彼女が手前味噌にこだわる理由のひとつが、自分で選んだ安心の食材で味噌を作れるから。彼女が味噌づくりに使うのは、地元のお米から作った自家製麹、無農薬の大豆、有浦さんイチオシの塩。どれも厳選された材料です。作っている途中に味見をしてみれば、素材のおいしさが分かります。
もうひとつの理由は、麹が生きた味噌を作れるから。麹菌は、人間の腸に生きて届くことで、腸内環境を整える役目をしてくれます。ですが、スーパーで売られている味噌のほとんどは、品質を一定にするため加熱処理をされてしまっているため、麹菌が生きていません。有浦さんの味噌づくりでは、麹菌を殺してしまわないように味噌を仕込むことができます。
体験では、古民家の庭で焚火をおこし、じっくりと大豆をゆでます。ゆっくりと火を通すことで、大豆は甘くなります。煮ているあいだは、火の番をしたり、回りの景色を楽しみながら、かもすや特製おやつ(おやきやクッキーなど)で一服したり、のんびりと過ごしましょう。
大豆が煮えたらお昼ごはんの合図。粕や麹などに漬け込んだ鮭や真鱈の焼きもの、寒さを利用して作られる茅野の郷土食材である凍(し)み豆腐の煮物、自家製味噌汁、玄米&そば米ブレンドごはん、など季節のお食事を楽しんでください。
お食事が終わったら、大豆をつぶしていきます。なめらかに仕上げたい、大き目の粒を残したい、などお好みにできるのも、自分で仕込む味噌ならではです。あとは、塩とこうじを混ぜ合わせれば、仕込み味噌の完成です。自分で仕込んだ味噌は、特別な愛着がわいてくるから不思議です。自宅に持ち帰ってから、すきまのないように味噌を容器に詰め、食べごろになるまで1年ほど、大切に冷蔵庫など保管してください。味噌づくりの容器は付きませんが、おうちにある大きめのタッパーなどで十分です。
味噌づくりの最中には、味噌づくりに役立つ知識を、有浦さんからたっぷりと聞くことができます。
基本的なことを学べば、ご家庭のキッチンでも味噌を仕込めるようになります。麹が生きている手前味噌を、暮らしに取り入れるきっかけづくりをしてみませんか。
※この体験には、2,000円(税込2,200円)相当のかもすや特製ランチとおやつが含まれます。